外貼り断熱工法とは、字のごとく住宅の壁の外側に断熱材を貼り、その上からサイディングなどの外壁材を施工していく方法です。
住宅の断熱を施工する方法には 内断熱工法と外断熱工法という2種類の工法があります。
内断熱工法は別記事にご紹介したとおり、壁の中に断熱材を充填して施工していく、工法です。
外断熱工法は壁より外側に断熱材を貼り付け、その上から外壁材を施工していく方法であります。
内断熱工法の場合は別記事でご紹介したとおり、壁の中に断熱材があるので、丁度、壁の中にある断熱材の場所に結露が出る欠点があり、
●外断熱工法は壁より外側にある為、壁の中に結露がでず、また、外断熱工法の場合は外側から断熱材で、下から、上まで、通気性をもたせながら、隙間なく施工ができますので、容易に気密性を高める事ができますが
●内断熱工法は壁の中に充填する施工工程ですので、梁や柱などには施工する事ができず、気密性を高めるには、外断熱工法ほど、高める事はできません。
例え、できたとしても、隙間なく、断熱材を敷き詰め、気密シートなどで気密を高めるようにしていかなければ、断熱性を高めなければならず、
●内断熱工法で高気密、高断熱にした場合、湿気が中(気密シートがあれば、余計)にこもり、湿気が壁の中にこもれば、結露の発生もしやすく、しいては、カビや木柱を食いつぶす腐朽菌等が異常に発生する事態となります。(一時結露による被害で北海道や埼玉県の一部でも新聞等に取り上げられ、報道をされました。)
外断熱工法の場合は壁の外側に断熱材を貼り、しかも、通気性をもたせるように外壁材を施工して、尚且つ、外断熱の内側にも通気層をもうければ、断熱材と通気道の相乗効果により、断熱材を高められるだけでなく、通気性が良いので、湿気が外に逃がす事ができるという工法
外断熱工法は 壁の中に蓄熱性を高める事にあり、壁の中が蓄熱性が高まるという事は、壁の中の温度と住宅の部屋の温度差がなくなると言うことで、壁の中に結露が生じにくいという理屈です。
ただ、ここで注意が必要で、外断熱材で家全体を覆い隠すわけですので、家の中の湿気がこもりやすくなり湿気の流れが止まると湿気が結露になりますので、湿気が家と外に逃げるように対策を講じないと外断熱工法をとった意味がなくなりますので、注意が必要です。
●その為にも外壁材の構造を2重構造にする事を推奨します。
そうすれば外断熱工法が外断熱通気工法になります。
ですが一般的に外張り断熱工法は断熱材部分の内側の通気対策が不十分で外壁材部分は防水シートに下地工事をして外壁材を挟み込むようにして外壁通気工法といっています。
これですと外壁材は相変わらず断熱効果はなく、つなぎ目は外からの風雨が中に入ってきて、外壁材と防水シートの間の通気をさせる部分はその機能を果たす事ができず、ただ、単に外壁と防水シートの間は隙間があるだけで、湿気の通気はできていません。
ですので、一番外側に位置する外壁材は断熱効果があって、外壁部分が外からの風雨が入ってこないように気密性ある素材にする事です。
(一般的に外壁材窯業系サイディングとモルタル壁の外壁材が単体が主流ですので、外張り断熱の効果が本来なる効果がでるのか微妙なところでもあるのですが)
本来の外断熱通気性工法にする場合は工法的に外壁を二重構造にしますので、内断熱工法と比較すれば、工事費は割高になりますが、住宅に対して、良い環境を与えますので、家は長持ちして、耐久力は増し、住宅の中の環境も快適な空間になり、お金に変えられない、生活空間の安心と快適さが得られます。
また、家を支えている、木材の柱等が常に良い環境の中で、呼吸していきますので、木材は良い環境におかれると強度が増してきますので、木材の価値が年々上がって行く事になり、住んでいる間、仮に地震が来たとしても、人間の生命を守ってくれる家がしっかりしていれば、安心です。
外断熱工法はマンションなどコンクリートの厚い壁の建物の場合の名称で、住宅のように壁より外側に断熱材や断熱性の高い外壁材を貼っていきますので、住宅の場合は外貼り断熱工法という名称が正しい呼び名です。
外貼り断熱工法はこのように、素晴らしい工法なのですが、その工法も工程の方法をへたに取り違えると、あまり外断熱の効果がなかったり、使う、部材や素材を間違えると、後で外壁材が崩れ落ちてくるという危険性もありますので、ご注意をして下さい。
外貼り断熱工法における、注意点は別記事がございますので、そちらのタイトルの記事を参照を下さい。
